大根おろし鍋

我が家ではこの冬に何度か知り合いから大根をいただく機会がありました。手作りの大根を何本もいただくので普段の使い方ではとても食べきれず、どうしようかと迷っていました。というのもいただいた大根は土から抜くタイミングが遅かったのか、少し“す”が入ってしまっているものが多くて、ご近所におすそ分けするのもためらわれたからです。はじめは煮物にしてみましたが、やはり“す”が少し気になりました。味の染み込み方がいまひとつでした。
 そんなときに、ふと思いついて大根おろしにしてお鍋に入れてみることにしました。ちょうど我が家ではこの冬、手作りの鳥団子を使ったお鍋がブームだったからです。鍋にある程度火が通ったところで大根おろしをたっぷりと投入します。その量は大根丸ごと一本分以上です。大根おろしの汁は入れても入れなくてもどちらでも良いです。そして、その後しばらく火にかけていただきます。
 すると、私自身も驚いたのですが、大根の甘みが出汁に旨みを加えて素晴らしく美味しい鍋ができました。気になっていた大根の“す”や苦みも気にならなくなっていました。さらに、鍋の具材と出汁との一体感が増してすべての具材がより美味しく感じられるようでした。我が家の鳥団子鍋は鍋の出汁自体に味付けをするものでしたが、肝心の鳥団子を始め具材に味が染み込みにくい感じがあったので、大根おろしを使うことによって具材の美味しさも増すことになりました。
 その後、アンコウを具材にしたアンコウ鍋にも同様に大根おろしをたっぷりと入れてみましたが、これも魚の匂いが消えて大変おいしい鍋になりました。私はもともと魚の鍋はあまり好きではありませんでしたが、大根おろしを入れることで臭みが消えて大変美味しく感じられるようになりました。
 これまでにも大根おろしを“もみじおろし”として鍋を食べるときに使うことがありましたが、今回のように鍋に入れて加熱することによって新たな美味しさを発見できたのは大変新鮮な経験でした。切った大根だと大根の匂いが気になるものですが、おろすことによってそれもなくなります。野菜をたくさん摂ることもできるのでお勧めです。